現在、政府では、さまざまな地価対策が検討されています。土地保有税の創設、宅地並み課税、譲渡所得税の強化といったものを中心に、政府は具体案を練っているようです。しかし、これまでの政府の土地政策というものは、おもに税制を中心に行なわれてまいりましたけれども、そのことごとくが、本来の目的に反して、逆に地価を高騰させることになってきたのは、ご存知の通りです。たとえば、事業用の買い替え資産といったものを、税制は、本来、東京都内から人を追い出し、なるべく郊外に土地を求めさせようといった狙いもありました。
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また長いあいだ持っている事業の資産については、これを買い替えることによって、税の繰延制度というものを設けました。ところが、実は、これが大変な地価高騰の起爆剤となってしまったのです。というのは、東京都心で十億円、二十億円で売った十坪、二十坪の収入が、五倍制限といわれる一つの制限の範囲の中で、同じ十億円、二十億円のものを買うことによって、当面は一円の譲渡所得税もかからないという制度がいわゆる事業用の買い替え資産です。