人口の減少していく街では、地価も低下していく。需要が縮小するのだから当然である。すでに地方圈では、地価の下落に歯止めがかからず、土地の換金ができない例が急増していることは、これまで書いてきたとおりである。しかし地価の下落が続いている地域の中でも、地価水準を維持している地点もある。「優良な街並み」が形成されている地点である。そこにはいくつかの条件が揃っている。まず、住環境が良い。その地域全体に、住居地域としての良好な雰囲気が漂っている。昔の邸宅街を思わせるものがある。こんな街に住んでみたい、と誰もが憧れを持つ風情を感じさせるところである。さらに、交通や買い物などの利便性が高くなければならない。昔の邸宅街でも、駅まで遠かったり、坂道が多いところは敬遠される。高齢化と生活スタイルの変化もあり、公共の交通機関が利用できるところは、需要が根強く地価も維持される傾向にある。住宅地の需要が縮小していく時代となり、今後は、住宅地の「質」が問われる。「こんな街には仕みたくない」「この地域は不便だ」と叫ばれれば、地価の下落が続く。その意味では、当たり前であるが、住環境の良好さと日常生活の利便性とをともに備えている地域は、いつの時代にあっても根強い人気を保ち続ける。
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