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和風の「抽象化」とは

2011.11.12

和風の「抽象化」とは、実際のところモダニズムの美学の和風への導入だった。天井の目透しも、柱の省略も、欄間の省略も、すべてモダニズムの美学から和風が学んだものである。そしてモダニズムの美学は、日本において西洋の文化そのものを意味し、西洋の文化とはお金を払う価値のある唐物であったのである。それゆえ「料亭和風」はお金のとれる空間となりえたのであった。家庭的であり、かつ、お金のとれる空間という困難な課題を、和風の「抽象化」という方策を用いて解決したのである。

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そして和風の「抽象化」がさらに巧妙であったのは、その行なっていることが実際には西洋のモダニズムの美学の導入であり、それが一種の日本文化と西洋の折衷であったにもかかわらず、そんなことは一言もおくびにも出さなかったところである。あくまで表面上は、日本の伝統の本質の追求であり、和風の一層の純粋化であるという姿勢を崩さなかったことである。