理想をいえば、そうしたことを踏まえて設計をした方がより良い家を建てることができるわけです。また、建築は設備、構造、意匠のそれぞれにおいて、機能や強度、耐久性、美しさや快適性の歩調を揃えて設計されなければならないのですが、先を急ぐばかりに意匠、構造ダ先行して設備が二の次になってしまうことも多いようです。工事現場を見るとよくわかるのですが、最近の建物は壁、天井裏、床下を設備の配管や配線が縦横無尽に走っていて、電気の幹線が入っている所などは、まるでスパゲッティの束のようです。
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設備の配線配管は表に出てこないので忘れられがちですが、これらについてよく打ち合わせをしておかないと、設置場所や配管場所がなくて無理をすることになります。設計前によく生活プランを練り、設計に入ったら設備、構造、意匠の連携をよくすることが大切です。また、設計でトコトン決めておけば、見積もり上の落ちや変更による追加請求も起こりにくくなり、現場も安心して予定どおり段取りよく進められます。これなら建て主も安心です。まして、最近のようにエコロジーに関心が集まる時代には、建てて10年でスクラップなどということは人道上許されません。80年かかって育てた材木を使って家を建てるなら、同じくらいの耐久性がなければ自然の連鎖が崩れてしまいます。もちろん、80年保つような家を建てるには昔の知識だけでは難しいものがあります。近代建築においては通気も換気も断熱も防水も技術はどんどん進歩していますが、現状の住まい方にフィットさせるだけでなく、これから変わっていく時々の生活に順応していけるような建築プランが要求されます。それを可能にするには設計者だけでなく、建て主の方の協力も必要です。時間的なゆとりをもって、じっくりと自身の生活を見つめ、自分が考える理想の家を手にするために、〈早く早く〉はやめようではありませんか。